神戸大学マンドリンクラブは2015年に創部100周年を迎えました。それを記念し、創部100周年記念誌を作成しております。
・神戸大学マンドリンクラブ100th Anniversary 記念誌
・2015年8月1日発行
・国立国会図書館本館に蔵書(閲覧請求番号:KD268-L54)
ここではその一部を公開いたします。
弦友会会員の皆様には、折々にお手元の記念誌を手にとってご覧いただけましたら幸いです。
12回生 柏木 良雄
4年生になって、昭和38年10月ですが、日本学生マンドリン連盟主催で49名の合奏団を結成してハワイ及びアメリカ西海岸演奏旅行に出かけるチャンスに遭遇しました。団長は服部正(1908-2008) 氏、早稲田・慶応・明治、関学・同志社他各大学のコンマスを中心にそうそうたるメンバーであり、私は2ndマンドリンで参加しました。メンバー確定にあたって事前審査が行なわれ、全員一人一人課題曲と自由曲を演奏し審査されました。私はあがってしまって思い通り弾けませんでしたが、形式だけの審査だったのか特に何も言われませんでした。その時の審査員に中野二郎先生がいましたが、つい先日名古屋の先生のお宅を訪ねていたばかりで、私の演奏中ニコニコ見守ってくれていたように感じ心強く思いました。
肌部団長を中心に慶応がマネジメント・演奏共に主役を演じており、初めての経験であることから、本腰で取り組んでいました。行き帰りの飛行機代のみ合奏団の負担とし、米国内の費用はすべて商工会議所等で負担してくれるよう、慶大のマネージャーが事前折衝してきての実現となりました。寄付金集めもあり井川君達にも骨を折ってもらったと思います。大きな演奏旅行なので、事前合宿も2回くらいやった記憶があります。
その時の英文パンフレットが残っていますが、今でも適用するすばらしい選曲で服部正団長の労作と思いました。全てではありませんが、参考に紹介します。
I. This is mandolin - introduction to Mandolin Music -
レナータ、マンドリンの群れ、セビリアの理髪師、カパレリアルスカチーナ、バグダッドの太守
Ⅱ. Music all over the world - famous tunes of the worId -
エスパニア・カーニ、シポネー、ビギンザビギン、帰れソレントへ、バリハイ、ペルシャの市場、 チャルダッシュ
Ⅲ. Holiday in Japan - Japanese folk songs and original tunes -
(日本のフォークソングと古典12曲)
アメリカでの宿泊はすべて当地の商工会議所のメンバーが自宅を提供してくれ、家族との触れ合いがあり、今のいわゆるツアーでは経験出来ない誠に有意義なことでした。ドイツ系・ユダヤ系と多彩であり、アメリカが混合移住民族からなる新しい国であることを身をもって感じました。まだ日本には自動車は少ない時でしたが、国土が広いため高速道路が整備され、裕福な家庭のせいもあってか1軒に2台の自動車はざらだったと思います。ハワイ3日、ロスアンゼルス3日、サンフランシスコ6日、オレゴン1日、シアトル3日、機内泊も入れて約25日間各地区の高校・大学の講堂や体育館等で演奏(ドサ周り)するという大演奏旅行でした。
途中腹痛をおこして夜中に医者を呼んでもらうハプニングがあり迷惑もかけましたが、私にとってはすべてが大変貴重な経験でありました。帰国後、南ベトナムからUCLA(力リフォルニア大学ロサンゼルス校)に留学していた女子学生(UCLAの寮のホールでピアノ演奏し歓迎してくれた子、日本人と変わらない客姿顔立ち)からレターがきてしばらく文通するというおまけも経験しました。
その後音信は皆無でしたが、メンバー全員の消息をあらゆる手段を講じて調べ上げたようです。一昨年(2013年)12月でしたか慶応大学マネージャー河田様から突然メールあり、「来年3月に50年ぶりに東京で集まろう。」との案内があり、2014年3月11日青山ロビンズクラブにての同窓会に参加しました。40名の内9名が鬼籍入り、40名の内30名が出席、50年ぶりの再会を果たし、往時を振り返って、それぞれに「一生の思い出、人生の一大経験であった。」と50年前を思い出し、感慨に耽りました。関学幹事で2年後に京都で再会することを約東して同窓会を後にしました。
写真は、スーパー経営者(ユダヤ系)の自宅で民宿、とてもチャーミングな娘さんでした。